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2008 年 12 月 16 日幾千の痛み抱きしめて、朽ち果てていくこの星で
サビの部分の歌詞なんだけど……誰の歌なのかなぁ? 動画で見たんだけどこの歌いいなぁと思う。
幾千の痛み抱きしめて、朽ち果てていくこの星で
サビの部分の歌詞なんだけど……誰の歌なのかなぁ? 動画で見たんだけどこの歌いいなぁと思う。
「久美がいるのといないのとじゃ、どう違うんだ?」
質問を発したのは龍次。
「……安心感が全然違う。階段とか、坂とかでも、前もって教えてくれるし」
「ほなら大丈夫やんけ?」
「あのな、そりゃあくまで久美がいるのといないのとで比べたらの話だろ? どこに何があるか、全然わかんないんだぜ?」
「久美ちゃんにこうして欲しい、とかいうのはないかい?」
先生の問いに、明美はやや考え、
「……手、引っ張られるよりは、腕組んでもらった方が歩きやすいかもしれない」
そう言うと、早速久美は手を組み、歩調を合わせ始める。
「しっかし、なんや、学校ってこない不便な所やったんか? これじゃ目ぇ見えない人来た時、どないするんや?」
「あと、車椅子の人も大変だろうな」
「バカ。そもそも学校にそういう人が来るかよ」
友義、健二、龍次が自分の意見を発し始める。
「でもさぁ、目隠しするとわかるけど、不便に出来てるよ、学校って。車椅子だともっと大変じゃないかな?」
「……そうだね……こうやって助け合わないと、歩くのも大変だし」
明美に同調するように久美も頷く。先生はそれに補足。
「学校もそうだけど、他の建物でも、大概は不便に出来ているんだよ」
「金ないんやろな、日本も」
「ないんじゃなくて、ケチってんじゃないのか?」
「……どっちでも良いだろ、そんなの」
龍次はブスッとしつつも、
「大事なのは、そういう人いたら、助けろって事だろ?」
捻くれた口調で呟く。
「……大変だってのは、わかったからな……」
どれだけ苦労しても、自力だけでは体育館に着けなかったことが悔しいのだろうが、龍次はそれでもそう結論付けた。
「先生、もう時間無いよ」
(あー……感想文と地図はまた次だな)
「よし、じゃあ教室戻ろう!」
(……とりあえず、第一段階はクリアか?)
とにかく、今は行動するしかない。手をこまねいていても悪化するだけだ。
そう考えて、一か八か的にこの授業をしたのだから、まず、上手くいったと思っておくべきだろう。
人を思いやれれば、他人に迷惑をかけようということは少しずつしなくなるはず。それが自然と心がけられるようになれば、学級崩壊も止まるかもしれない。
子ども達の悩んでいる顔を見て、先生は自分の考えに少しばかり自信を持った。
「案内してあげれば良いんじゃない?」
明美が提案するのと同時に、
「でも、それじゃ階段とか危なくない?」
「そやな」
健二の意見に友義が同調すると、
「じゃあどうすりゃいいんだよ、俺は?」
龍次はいらただしげに白杖を振りまわす。
「龍次!」
注意をするとムスッとしたままではあるが、白杖を床に突く。
「誰かが……手を繋いで、前歩いてあげれば……」
ボソボソ、っと呟く久美に、皆が注目する。
「具体的には? 手、繋ぐだけで良いの?」
「で、出来れば、『この先に階段があるよ』とか、『周りに机があるよ』とかって言えば……少しは進みやすくなると思うんだけど……」
顔を赤くし、俯く久美に、
「よし、それ、やってみよう」
明美に目隠しをさせ、久美が先導役、残る男子三人は記録係という形になった。
「明美ぃ、どんな感じなんや?」
友義は何の気無しに尋ねたが、
「ちょっと静かにして! 神経使うんだから!」
明美はささくれだった答えを返すだけ。それに先導役の久美がビクリと肩を震わせる。
「確認するぞ? 五人一組になって、それぞれ分担した校内の場所を回ってくる。その内の一人が目隠しをして回るけど、最初の五分は、周りの人は手を貸さないこと。けど、危ない所もあるから、そういう所だけは前もって教えてあげること、良いな?」
「先生、地図はいつ描くの?」
「これが終わった後。周りの人は、どこがどう危ないか、どうしたら安全になるかを考えながら校内を回ってくれよ。もし時間が無かったら、地図は次の時間に描こうな」
確認を終えると先生は他の五人の先生に他のグループの児童をお願いすると、
「じゃあ行こうか」
そう言って体育館に向かう。メンバーは目隠しをした龍次、明美、久美に友義、健二の五人。
龍次は敦彦がやっていたように、白杖でコツコツと床を叩きつつ教室を上手く出た……が、
「ん?」
教室からは出たが、廊下の壁―家庭科室―に白杖が当る。すると龍次はまだ教室から出ていないと思ったのか、そのまま横伝いに歩き出口を探す。
だが数十歩進んだ所で、龍次もおかしいと気付いたようだ。
「なあ、先生、俺、もう教室出ているのか?」
「最初はアドバイスなしだからな。先生は黙秘させてもらう。もう少し頑張ってみろ」
周りを見てみると他の児童も悪戦苦闘している。七組ある内で、一階におりたのは敦彦が盲目役をやっている班だけだ。
そんな調子で五分が過ぎた。
「龍次、どうだった?」
「……」
龍次はムスッとしたまま返答をしない。
「じゃあ皆、龍次を上手く体育館まで連れて行くにはどうすれば良いかな?」
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