ホワイトロッドその②
「案内してあげれば良いんじゃない?」
明美が提案するのと同時に、
「でも、それじゃ階段とか危なくない?」
「そやな」
健二の意見に友義が同調すると、
「じゃあどうすりゃいいんだよ、俺は?」
龍次はいらただしげに白杖を振りまわす。
「龍次!」
注意をするとムスッとしたままではあるが、白杖を床に突く。
「誰かが……手を繋いで、前歩いてあげれば……」
ボソボソ、っと呟く久美に、皆が注目する。
「具体的には? 手、繋ぐだけで良いの?」
「で、出来れば、『この先に階段があるよ』とか、『周りに机があるよ』とかって言えば……少しは進みやすくなると思うんだけど……」
顔を赤くし、俯く久美に、
「よし、それ、やってみよう」
明美に目隠しをさせ、久美が先導役、残る男子三人は記録係という形になった。
「明美ぃ、どんな感じなんや?」
友義は何の気無しに尋ねたが、
「ちょっと静かにして! 神経使うんだから!」
明美はささくれだった答えを返すだけ。それに先導役の久美がビクリと肩を震わせる。